2025年6月18日(水)に、ウズベキスタン政府の技術革新省若手職員4名と、日本の大学で教鞭をとる在日ウズベキスタン人教員が、共創拠点運営部門の寺本さゆり特命准教授の引率で研究基盤統括センターへ訪問した。大学教育システム、JSTファンド及びその受託プロジェクトの視察が目的で、4日間かけて琉球大学のCOI-NEXTプロジェクトにおける陸上養殖拠点の他、図書館や瀬底研究施設等に加え、研究基盤統括センターにも訪問した。当センターに派遣されている総合技術部の泉水仁技術専門職員(機器分析グループ)が、以下の紹介を行った。
(1) 研究基盤統括センターの紹介及び共用機器・設備の運用
研究基盤統括センターは、琉球大学の研究基盤構築を一元的且つ戦略的に実施・推進することで、本学の教育・研究力向上や、共用機器等の学内外利活用促進を通じた、地域に根差した大学づくりに貢献することをミッションとしている。その一環として、大学の構成員であれば誰でも利用できる共用機器・設備の運用を担っている。2025年3月現在、研究基盤統括センターや他学部にて153台の共用機器・設備が利用されており、これらを円滑に運用するための研究基盤統括システム(UR-Core)を紹介した。
(2) 「除湿精製水」の有効活用に関する事例紹介
泉水が所属している研究プロジェクトでは、「除湿精製水」の有効活用を進めている。エアコンや除湿機等から発生する空調排水は「汚い」というイメージがあり捨てられていたが、実際に測定をしたところ、水道水に比べて不純物量が1/20~1/5程度で、年間を通して定格の約63%の除湿水が取れること*、さらに簡易的な精製装置で蒸留水相当の水を得られることが分かっている。このことを踏まえた、以下の取り組みを紹介した。
・教育現場への除湿水精製装置の提供による経済負担軽減と環境意識向上
・COI-NEXTプロジェクトで運用している陸上養殖施設において、蒸発した水の自動補給システムの構築
参加者はいずれも興味深く話を聞いており、活発な意見交換が行われた。特に除湿精製水に対する関心が高く、必要な量や目的に応じた適切な方法により、様々な場面で活用ができると期待を寄せていただいた。今回の視察が今後の役に立てれば幸いに思う。
*参考文献:泉水仁ら,沖縄をモデルケースにした高温多湿地域における除湿水の水質・水量調査及びその有効活用,水環境学会誌,Vol.47, No.1, pp.47-53(2024)


